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不妊治療回顧⑩ 頭はお花畑

【長編】不妊治療体験談

待ちに待った、待望の生命宿る。

 

いくらタイミングを合わせても、人工授精をしてもうんともすんとも言わなかった我が子宮へ。

不妊治療を休止し、どことなく自然妊娠を期待しつつも無理だろうなと思っていた最中の僥倖に、頭の中はお花畑の桜満開モードでした。

 

そんな私は、すぐさまその翌日、旦那の両親に電話します。

あんな出来事もあったことですし、私としては姑さんの期待に応えることが出来たということで、そう、有頂天だったのでしょうね。

もちろんすごく喜んでくれましたし、自分の存在価値というものが初めて認められたというか、これは自分が勝手にそう思っただけなんですけど、でもこれで嫁いだ身として旦那家系にやっと貢献できたというかなんというか、とにかく誇らしい気持ちになりました。

旦那も仕事から帰る度に『体調は大丈夫?子供は元気?』と労わってくれるし、周りの人間が、世の中全てが私を祝福してくれているような、そんな感覚でした。

 

そんなこんなで2週間が経過し、再びクリニックへ。

もちろんいつも通り数時間待たされるのですが、この日ばかりは全然気になりませんでした。この頃には待合室に置かれているこのクリニックの不妊治療体験日記まで手を伸ばすことが出来るようにもなっていましたし、卒業された諸先輩方の教訓を『ふむふむ』と頭に叩き込んでいました。

 

名前が呼ばれて、診察へ。

 

診察が終わり、少し待合室で待って、旦那と再び診察室へ入ります。

 

熊先生『胎嚢は順調に大きくなっていますね。6週目くらいかな?まだ心拍は確認できていませんが、この時期は見えないことも多いのであまり気にすることもないかと』

 

といったお話でした。

 

この2週間、色々と妊娠ブログなどを読み漁っていた私は「そろそろ心拍が見えるかな?」と期待していたのですがちょっと残念。

 

・・・この時、ふと熊先生を見ると、なんとなく違和感を感じました

少し暗いというか、それは私の気のせいかもしれません。ただ、今思い返すと、あの時は確かに暗い顔だったなと、そう思います。

 

熊先生『ではまた2週間後に来てください』

 

そう言われ、私たちはクリニックを後にするのでした。

旦那は『次は心拍確認見えるよね!』と終始テンション高めだったのですが、どことなく、私は嫌な予感を、確かに感じていました。

 

2週間後か・・・長いなぁ・・・

 

こんなことなら、妊娠している人のブログなんて見なきゃ良かったな。

妊娠6週目と言われた人で、胎嚢全体が点滅しているくらいに心拍が見えたよ!というブログ記事がふと頭に過ります。

 

まぁ、考えても仕方ない。普段通りの生活を。

そう思って、再び日常生活に戻るのでした。

 

 

◆続き

不妊治療回顧⑪ 信じる

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