悪阻はそれほどありませんでした。
なので次の診察までの間は、きちんと葉酸を摂取しつつ、バランスの良い食事を。ストレスの無い生活スタイルを。規則正しいバイオリズムを。心がけました。
旦那も毎日幸せオーラを放ちながら出社し、いつもより少し早い時間に帰ってくる、そんな穏やかな日常。
すぐに2週間が経過しました。
今回の診察は心拍が確認できる時期です。
いや、妊娠8週~9週というのはできなければならない時期でしょう。
信じる。
旦那とクリニックに向かい、いつも通り数時間待って、診察を受けーーーー
熊先生『では、見てみましょうか』
熊先生が超音波エコーを挿入し、アレコレ観測します。
自分の位置からモニターは見えなかったけど、結構時間を掛けて角度を色々と変えたりして粒さに確認していました。
そしてーーー
熊先生『はい、いいですよ。では後ほど旦那さんと。』
え・・・
それで終わり・・・?
普通、心拍が見えたら、モニターを見せてくれるはずじゃ・・・。
色んな妊娠の体験談を見ても、「ほら、心拍が見えるでしょう」とリアルタイムで見せてくれたというものばかりだったはずだけど・・・。
え、嘘・・・
心が落ち着かないまま着衣を正し、待合室へ。
旦那が朗らかな顔で、
旦那『どうだった?心拍見えた?』
と聞いてきました。
私『わかんない。私の位置からは画面が見えなかった。』
そう答えるのが精いっぱいでした。
旦那『そっか、まぁあとで先生の話を聞こうか』
私『多分ダメだったんだと思う』
私はそう思ったけど、言えませんでした。
旦那からの問いかけに対し、私の口から、この言葉を返すことはできませんでした。
しばらくして診察室に呼ばれました。
熊先生『胎嚢は大きくなっています。妊娠8週相当ですね。ただ、心拍は確認出来ませんでした。普通、8週だとそろそろ見えても良い頃ですが・・・』
やっぱり・・・。
旦那『えっと先生、それは結構やばいという事ですか?』
熊先生『まだエコーの角度的に見えていないだけかもしれませんし、そういうこともあります。そろそろ確認できる時期ではありますが、もう少ししたら見える可能性はありますよ。』
旦那『可能性はある・・・つまり低いと、それは結構まずいということです?』
熊先生『いえ、そうは言っていません。今回は、確認できなかったという話です。旦那さん、そんなあまり奥さんを心配させるようなことは・・・。』
旦那『・・・そうですね。すみません。』
熊先生『また2週間後に来てください。』
私たちは、診察室を出ました。
さっきとはうって変わって、旦那は明らかに落ち込んでいました。
旦那『まぁ、まだ分からんしね!次は心拍確認できたらいいよね!』
その言葉を発する表情は、何かを悟っているように感じました。
私もその時すでに、覚悟をしていました。
◆続き
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