妊娠6週目、そろそろアレがあってもおかしくない時期です。
そう、
心拍確認
前回の事もあり、こればかりは不安になります。
『またダメかもしれない』というネガティブな気持ちと、『前回は薄いところを引いただけ、今回はいける!』と前向きに思おうとする気持ちと、『ダメでも次またチャンスはある!』と心に掛ける保険が複雑に交錯している何とも言えない感情。毎度のことながら期待しすぎると良い結果が得られなかった時の落ち込みが大きいので、適度に心へストレスは掛けています。
ただし、今回のケースでもしネガティブな事が起こった場合、実は一つやっかいな意味を持ってしまうことになります。
2度続けての心拍未確認は確率的に起こりづらい。20%×2=4%の確率です。
つまり、なんらかの症状が隠れている可能性が相対的に高くなってしまうということです。
不育症
前回の妊娠は、もしかすると心拍は動いていたかもしれないがたまたま観測できなかっただけで、途中で心拍が止まってしまった=妊娠が継続できなかった、という可能性もあるわけです。とすると、たとえば何らかの症状のせいで胎児に血流が滞った結果心拍が停止したと、あり得ることです。
まだ一度も見ていない心拍確認
どうかお願いします!
数日後、クリニックに向かいます。旦那も付き添いです。
ほどなくして、診察室へ。
熊先生『それでは診察を始めましょうか』
熊先生『あ、心拍が確認できましたね』
熊先生『Mielさん、見えますか?この点滅しているのが心拍ですよ。』
凄い
必死で生きようとしているように感じる。本当に胎嚢全体が点滅しています。
前回感じた違和感とは違い、生命力に満ち溢れているようなエコーの映像でした。
凄く感動して、ずっと見ていると涙がこぼれました。言葉は出ませんでした。
これが私の赤ちゃん
熊先生『心拍が確認できたので、一安心ですね。それでは後で、旦那さんと』
待合室に戻って、旦那に報告しました。
多分、私の顔が明るかったのでしょう、診察室を出た私を見つけた直後、旦那は私に向かって親指を立てて『どうだった?』みたいな合図を送ってきました。
私は笑顔でやったー!と飛び跳ねたい気持ちを必死で抑え、少し目を伏せて歩き、旦那の隣にそっと座ります。
私『心拍が見えた・・・』
旦那『マジか・・・』
私『すごかったよ、ピカピカって点滅してた』
旦那『良かった・・・俺もみたかったな』
私『いいでしょ。凄かったんだよ』
周りの患者さんもいるので凄くこそこそ話ではありましたが、旦那は肩を抱きかかえるようにして『よくやったね、お疲れさま』と言ってくれました。
唐突に、デジャブを感じました。
いや、自分視点だったからデジャブとは言わないかもしれないけど。
これは以前このクリニックに通い始めて最初に感じた、『幸せオーラ』側の人間の行動そのものでした。
数年前まで、私たちは『ネガティブオーラ』側の行動をトレースしていました。それが今回、『幸せオーラ』側の行動になっていることに気づいてしまいました。
別に意識はせずとも自然とそうなってしまうこの様が、不妊治療クリニックの独特の雰囲気を作り出しているのでしょうね。そこには一人ひとりの人間模様があって、喜怒哀楽が日々混沌としている・・・そんな空間を今自分自身が体現していて、そしてフィナーレに向かおうとしています。
私は周りの方に申し訳ないというか、罪悪感というか、嬉しくて飛び跳ねたい気持ちをぐっとこらえて、必死に平静を装っていました。
しばらく待って、診察へ。
熊先生『心拍を確認できました。胎嚢の大きさも予定通りで、順調です。このまま妊娠を継続させることが重要なので、当面は黄体ホルモンの補充は継続します。』
熊先生『2週間後に来てください』
また2週間後になったー!!
しかし、今回は前回の2週間と違います。
前回は心拍が確認できるかな?と不安な感情で過ごした2週間。
今回は心拍は確認できている、という安心の2週間。
黄体ホルモンの補充に膣剤を2週間処方され、帰路につきました。
そして早速、義母さんに報告しました。
前回のケースがあったので安定期に入ってから、という選択肢はありませんでした。支援をしてもらっている手前、きちんと経過報告をする必要があると思ったからです。
もちろん、たとえそれがぬか喜びになってしまったとしても、誰かに今の状況を報告したくてたまりませんでした。それくらい、私にとってこの心拍確認は嬉しかった。ようやくトラウマを克服できた瞬間でした。
義母さんも大喜びで、私の身体を凄く慮ってくれました。
私、頑張ります!
◆続き
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