向かった先は、当時(約10年前)大阪で出生前診断と言えば “まずここだ” というくらい有名なクリニック。
待合室はなんというかもう見慣れた光景。
早朝から向かったにも関わらず開院から10分ほど遅れてしまったせいで、すでに大勢の夫婦でごった返していました。
が、不妊治療のクリニックとは根本的に異なっている点、それは『みんなお腹に子供がいる』ということです。そういった意味では凄く穏やかで、特に居心地は悪くない雰囲気というか。
待合室の席が一つしか空いて無かったので、旦那は私に席を譲り、自分は立っていました。
その後、ひっきりなしに訪れる夫婦は入口付近でずっと立ちっぱなしになっていて、どう見ても診察のスピードと来院する人のバランスが悪すぎる待合室のキャパです。
そのまま20分ほど経過しましたが全然人は捌けず、待合室の人口密度はどんどん上がっていました。
と、そんな中、
突然旦那が大きい声で
旦那『男性の方、皆、立ちましょうか!女性に席譲ってあげましょう。』
・・・
うわぁ・・・
うちの旦那、そういうこと全然気にせず平気で言っちゃう人なんですよね。
私は凄く恥ずかしかったのですが、その声を聴いた男性の方々は次々に立ち上がり、入口に立ちっぱなしになっていた少しお腹が膨らんだ女性数名を席に誘導し始めました。
立ち上がった男性の奥様であろう方からは、音の無い拍手を。席に誘導された女性からは皆が感謝と笑顔の会釈を。うちの旦那に向かってそれを行う様を見て、正直私はめちゃくちゃ恥ずかしかったのですが、同時に、やはりうちの旦那は最高だなと(借金はするけど)
そしてようやく、診察室に呼ばれました。旦那と二人で入室します。
診てくれるのは、女性の方でした。これがかの有名な〇〇先生。今なお現役のようです。
男勝りというか、しゃべり方もなかなかイケイケ系の方で
女医『ほんじゃまぁ、ざっと見て行きましょうかぃ!』
みたいな感じ。
そしてたっぷり気味にジェルを塗られ、超音波エコーが始まりました。
不妊治療のクリニックでも、転院した出産予定病院でも何度かエコーは行ったことはありますが、なんせ機器のレベルが違う。超音波でありながら画像処理を駆使し3D映像(カラー)で胎児の様子をモニタリングしてくれるそうです。
なんだろう、これが新しいガンダムとやらの性能なのか。そう思う程にクソでっかい装置と多くのモニター。おそらく、このクリニックでの単なる画像診断が(保険適用外ではあるものの)5万円を超えるのはこれら装置の償却が原因であることは間違いない。多分、NASAで開発されたのであろうというほどのメカメカしさに圧倒されます。
そしていよいよ、
モニター越しに我が子とご対面!
おおぉ!!
おぉ・・・
お・・
ん、でもなんか思ってた感じと違うな
まだ妊娠16週くらいだったのですが、確かに人の形はしていたもののまだエイリアンぽいというか、感動!というよりは、へぇこんな感じで見えるんだ、という感想。
それでもようやく会えた、我が子の姿にはちょっとほっこりしました。
旦那からも『おぉ・・』という言葉が漏れていましたが、どうだろう、私と同じような感想だったんだろうなという気がします。
女医『あ、この子、指吸ってるわ~かわいいね』
すごい、そんなことまでわかるの?!
確かに、腕を曲げて指を吸ってるように見えました。ぐぅかわいい、これは超かわいい。
そしてその後、女医さんはエコーを当てながらずっとしゃべり続けてました。
女医『腕~足~はい、指も~はい、NTは~うん、よさそうだな、・・・』
そして装置を切り替え、白黒画面で赤と青の脈動が現れる画面へ。心臓周りの血流を見ているのでしょう。
女医『んー、はいはい。ちょっと切り替えますね、うーんなるほど、・・・』
それまでパッパと進んでいたのに、この血流の流れのところでは少し長めに時間を掛け、色々と角度を変えたり色を変えたりしていました。
そして、
女医『はい、いいですよ。』
そんな感じで、思ったよりしっかり時間を掛けてみてもらい、診察は終わりました。
やっと人の形をした我が子が見れたことには感激しましたが、ともあれ、結果がどうだったのか気になる。でも一応、五体満足な感じにはちゃんと見えましたし、先生の反応も悪くなかった気がします。
しばらくして、診察室に呼ばれました。
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