無言の車中を過ごすこと数時間後、ようやく病院に到着しました。
入口で旦那が義母と連絡を取り合い、病室まで案内してくれました。
義母『わざわざ来てくれたのね、おつかれさま。Mielちゃんもありがとう。』
そう労ってくれた義母さんは少し疲れた顔に見えたので理由を聞くと、義妹さんの出産はなかなか大変だった模様でした。
分娩時の弛緩出血がかなり多かったらしく、大量輸血してなんとかなったけど一時はちょっと危ないレベルだったとの話。日赤病院だったから良かったものの、もし自宅出産とかだったらと思うとゾっとします。
部屋に入ると直ぐに義父が見え、手を挙げてベッド脇へ迎え入れてくれました。
ただそこに義妹さんと子供はおらず、どうやら何かの検査に行ったようでそろそろ帰ってくるだろう、との事。そして義父からも同様に、かなりやばかったから肝を冷やしたという話を聞いていました。出産って、本当に命懸けなんだなぁ。
10分ほど待つと、義妹さんが子供を抱いて部屋に入ってきました。
義妹『あー!来てくれたんだー〇〇兄、Mielさん、ありがと~!!』
義妹『ほら生まれたよー、抱いて抱いて~!』
そう言われるや否や、旦那は生まれて数日の赤ちゃんに手を伸ばしました。
慣れない手つきで赤ちゃんを抱え、
旦那『良かったなー、お疲れさん。なんか大変だったんだって?』
と話しはじめました。
私はあれほど旦那に抱っこして欲しくないと思っていたのに、いざ生まれたばかりの赤ちゃんを見るとその感情を忘れてしまっていました。それくらい神秘的な何かを感じていたような気がする。
義妹『マジ死ぬかと思ったよ(笑)』
義妹『Mielさんも抱いて抱いて~』
その言葉に、ふと我に返りました。
私『いいですいいです・・!落としそうで怖くて・・・。』
旦那『いいから・・・。ほら。』
旦那にそう言われ、半ば無理やり赤ちゃんを抱っこさせられました。
私『あ・・・』
私『可愛い・・・小っちゃい・・・』
自然に言葉が漏れました。
これまでも、病院に来るまでも色んな感情があったし整理も出来ていなかったけど、いざ抱っこしてしまうとそんなネガティブな感情は全て消え去っていました。
長居することなく、30分ほどで病院を出ました。
病室を出た後、駐車場まで送ってくれている義母に旦那が『今不妊治療を再開している、先日採卵が終わったところ。今のところいい感じ』と話ししていたのが聞こえ、義母も安心した表情をしていたのが印象的でした。
やっぱり子供って凄いな・・・。
私がどんなに勝手に心の中で呪おうとしても、純粋無垢に身体を預けてくれる。全てを浄化してくれる気がする。小っちゃいし可愛いし。
・・・欲しい。
子供が欲しい。
旦那に抱かせてあげたい
病院に行って、義妹の子供を抱っこして、改めて心からそう思うのでした。
行って良かったな・・・。
◆続き
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