出産予定日は把握していましたが、私が採卵した数日後というタイミングで義妹さんが無事出産したとの連絡がありました。
家族LINEではスルーしてしまいましたが、それから数日経って、なんとか『おめでとうございます』と連絡はしたものの、未だに心から祝福できない自分がいました。
義母から支援をしてもらって不妊治療を再開し、採卵も上手く行った状況でありながら、それでもなお感情は複雑。
『おめでとう』という気持ちと『先を越されてしまったな』という気持ちと『不妊治療が上手く行かなかったらどうしよう』という気持ち。
私はなんて性格が悪いんだろう。
流石に旦那は実の兄なので、『週末に帰省先の病院まで行ってくる』とのこと。
旦那『Mielは無理して来なくていいよ』
そう気遣ってくれましたが、だからといって『はい分かりました』という訳にも行きません。
ここで行かないとなると流石に義妹さんに今後会い辛くなるし、また気を使わせてしまうし、旦那家族との関係性にも影響します。だから、気合で行く。
でも義妹さんに笑って会えるかな、素直におめでとうって言えるかな、という感情が心の奥底で澱んでいました。本当は行きたくないし、旦那にも行って欲しくない。
・・・そうは言えませんでした。
翌日ーーー
義妹さんの出産祝いの品を買いに一人で百貨店に向かいました。
ベビー用品の店に入ってすぐに、急に胸が苦しくなって一旦店を出ました。
流産した子を思い出したからでした。
『本当なら、この店には自分の子供の洋服を買いに来ていたのかな』
そう思わずにはいられませんでした。
『子供の服ってこんなに小さいんだ・・・』
『可愛い・・・全部可愛い・・・』
それらを手に取ってはみるものの、結局レジに行く勇気は持てずに手ぶらで帰りました。
翌日、お祝いの品はネットショップで購入しました。
週末になりーーー
旦那と帰省先近くの病院へ向かいました。
その車中、これまでなかなか言語化できずにいましたが、私がずっと不安に思っていたことがようやく分かりました。
あ、そうか、
私は、
旦那に義妹の子供を抱かせたくないんだ
旦那には、私の子供を一番最初に抱かせたかった。
多分、それが私の思っていた根っこの部分。
『一番』になりたいだなんて、これまで一度も思ったことは無かった。
競争は嫌いだし、負けることに慣れてきた人生だったし、そんな身勝手な欲求が自分にあったことに今更ながら驚きました。
そして旦那は、こんな私を選んでくれた。
だから、私は残りの人生は全部、ずっと、旦那にとっての一番でありたいと思っていました。
私『義妹さんの子供を抱っこして欲しくないな・・・』
車中、ついそう漏らしてしまいました。
私『私の子供を一番に抱いて欲しかったな』
旦那『そんな訳にはいかんだろう・・・』
ダメだ、泣いてしまう・・・必死で涙をこらえました。
病院に着くまで、お互いに無言でした。
◆続き
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