それは旦那が精神病で会社を休んでいた時の出来事でした。
会社に仕事を休む旨を伝えてベッドに潜る、そういった日が続いていた夏の終わりのとある日。
流石に運動不足なのと日光を浴びなさすぎるのを憂慮した私は、ふと思い立って外に連れ出すようにしました。
私『なんかコーヒーが飲みたくなったから、コンビニいこうよ』
旦那は誘われるがままに一緒に付いてきました。
川沿いを歩いてコンビニまで片道で10分ほどの距離。
その道中・・・
田んぼのあぜ道から、用水路越しに鳴き声が聞こえました。
私『あ、子猫だ』
まだ生まれて間もないのでしょう、か細い声でこちらを向いて必死に鳴いていました。ぐう可愛い。。。
と、突然旦那が子猫に向かって行き、そのまま抱きかかえました。
旦那『この子、尻尾が折れてる・・・』
私『ほんとだ。それが原因で母猫に捨てられたのかな』
旦那はそのままスタスタと、自宅に向かって歩き始めました。
私『え、どうするのその子猫』
旦那『とりあえず保護する』
マンションはペットOKではありましたし、私は猫好きだし、動物アレルギーもありませんでしたが、まさかその選択肢はありませんでした。
とりあえずノミ落としということでお風呂で軽く洗ったあと、この後どうするか二人で考えていました。
旦那『とりあえず動物病院に連れて行ってみようか』
近所の動物病院に連れて行き、曲がっている尻尾を見てもらいましたがどうも先天的なものだったようで、特にケガしているとかではありませんでした。女の子でした。
先生から『それで、この後どうされますか?』と聞かれ、私は回答に困っていましたが旦那は私をチラっと見て、『このまま保護して育てようと思います』と答えました。私はまだ飼うという覚悟はしていませんでしたが、そう答えた旦那に対し、改めて反対することはしませんでした。
ふと無意識に、
私『流産した子が生まれ変わって戻ってきてくれたのかな・・・』
そう考えるのは良くないとはわかっていましたが、どことなく運命的な出会いだったので私はついそれを言葉にしてしまいました。
すると、
旦那『俺もそう思って・・・ね』
・・・涙がでそうになりました。
やっぱりそうだったんだね。
家に帰って改めて愛でていると、なかなかの美猫でした。
私『名前どうしようか・・・』
旦那『うーん、尻尾が曲がっているから、それにちなんだ名前はどうかな?曲がり・・・尻尾・・・』
私『曲がってる、まーがる、尾、・・・』
私&旦那『マーガレット!』
面白いように二人で言葉を合わせて、名前はマーガレットに決まりました。
また生後1か月も経って居なかったということで、誕生日は8月8日のゾロ目に決定。
※ちなみに旦那は9月9日なので覚えやすい
突然思いもよらぬ新しい家族が増え、流産後の私も精神疾患中の旦那も、このマーガレットにはかなり癒され、助けられました。ペットと一緒に寝るというのは幸せでしたし、旦那が仕事に行っている間の寂しさも紛らわせてくれました。
もう11歳になりかなりのデブ猫ですが、家族の一員(むしろ家長というくらい図太い)として今でも元気にしています。
◆続き
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