前回の記事では近隣と書きましたが、とはいうもののそこそこ地理的には遠い場所でした。
その上、生活圏内では有名なクリニックだったので、駐車場には県外ナンバーの車も多く止まっていましたし待合室では我々と同い年くらいの夫婦でごった返していました。
不妊治療クリニックの待合室って独特な雰囲気なんですよね。
特にその独特な雰囲気を感じたのは、誰も患者同士の視線を合わせないという点。
別に悪いことをしているわけでもないのに、どことなく顔を見るのは失礼という空気感というか。
待合室から順番に名前が呼ばれて診察室に入る、代わりに診察室から出てくる人が居る。
嬉しそうなオーラで出てくる人も居れば今にも泣きだしそうなオーラで出てくる人も居ます。
顔を見なくても分かるんです。
診察室から出てきて旦那さんと思わしき人と幸せそうな顔で手を握り合っていたり、肩に手をまわしてトントンと慰めているような仕草していたり。
まだこれから不妊治療を始めようとしている私たちにとって、この光景はちょっと堪えました。
おそらく、今後私たちにも同じような感情の起伏が訪れることを想像させるに十分な衝撃と、そしてそれはネガティブな結果になるんだろうなという、どことなく確信めいた予感。
そんな異様な空気感の中、初診から数時間待たされることに。
待合室は一昔前に流行ったJ-POPのオルゴールが絶え間なく流れていて、よくわからない女性誌や不妊治療体験談の投稿集が置かれていたりしましたがとても身動きできるような雰囲気でも精神状態でもありません。
ただひたすら、旦那と待合室の固い椅子に背筋を伸ばして座っていました。
精神と時の部屋のような空間で待つこと数時間、ようやく名前が呼ばます。
初めてお会いする熊のような先生(←名医)に、年齢や子作り期間、これまでの経緯を話します。もちろん、子宮腺筋症の事も伝えました。
先生の反応は意外にあっさりとしたもので
熊先生「まぁとりあえず検査してみましょうか。年齢も『まだ31歳だし全然大丈夫』と思ってても、すぐに5年くらい経っちゃうしね」
みたいな感じ。ただこの淡々とした感じがすごく心を落ち着かせてくれました。
うーむ、これが名医というやつなのか。。。
そして検査へ。
私は検査(子宮腺筋症も含め)と卵管造影(これが結構痛かった)。旦那は精子の検査ということでエロDVDを持って2階に上がっていきました。
15分後、旦那はすっきりとした顔で降りてきて採精した容器を提出。発した言葉は「ハズレDVDばっかりだった」というのを私は忘れない。それでもヌいたんでしょお前は、と。
再び数時間待たされ、診察室に呼ばれました。
運命の結果は、、、
【夫婦共に問題なし】
そもそも私の子宮腺筋症は不妊治療の先生曰く【全然問題ない】との事でしたし卵管も綺麗に通ってそう、旦那の精子は運動量は普通で奇形率は少し高めなものの、数量は常人の数倍の濃度だった模様(笑)。
熊先生からは、
熊先生「ということで一旦はタイミング療法で様子を見ましょう、ただ半年くらいで結果が出なさそうなら年齢的にも35歳なんてすぐに来ちゃうので次のステップを考える方針で」
という感じ。
なーんだ、私たち夫婦って全然問題なかったんじゃん。ということは、まだコウノトリさんが来てくれていないだけで、そのうちできるってことじゃん!
その日はウキウキでちょっと良い外食して帰宅し、排卵日でもないのに仲良しをしました。
いつもより仲良くできました(ポッ)
◆続き
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