野良猫を保護して数か月が経ちました。
新しい家族ができ、平凡な日常に変化が生まれました。
壁を引っかいたり、夜中にバタバタしたりアクロバティックなダイブを洗濯機と洗面台の間で繰り広げたりとなかなかやんちゃな子でしたが、それはそれで毎日が楽しかった。
この間も、のんびりと子作りのタイミングは取っていました。
手術後の子宮は無事に回復し、妊娠できる身体だと分かってからは再び子作りに希望を持ちつつありました。
ただし旦那は会社へ無事復帰できたものの精神疾患は簡単には治らず、『今日は大丈夫だった』と『今日はちょっとやばかった』という日が半々な感じ。
そのような中で子作りのことを考え過ぎるのはお互い精神的に良くないので、少し意識的に忘れつつ・・・という、何となく不自然ではありつつも、平和な日々を送っていたのでした。
そんなとある日ーーー
唐突に、旦那が話し始めました。
旦那『実はさ・・・多分俺が精神疾患になったのって、仕事や流産の事もあったんだけど・・・』
旦那『一番大きいのは、多分、借金なんだよね』
Miel『え・・・?』
思いもよらぬカミングアウトに、私は一瞬何を言っているのか分かりませんでした。
旦那『結構大きい額で、全部で500万円程ある』
原因はFXのようでした。
最初は軽い気持ちでFXをはじめ、勝ったり負けたりを繰り返しているうちに額が大きくなり、そんな中政府の為替介入で損切りが出来ず追証を借金でカバーしようとしたが、その借金分もロスカットで溶けてしまった、との事。
後で知りましたが、借金によるストレスというのは尋常じゃないくらいしんどいものらしいです。
そこに仕事のストレスと流産というトリプルパンチがあったようで、旦那のメンタルはどうしようも無く追い込まれていたようでした。
私は全然気づきませんでした。
いつも元気に明るく振る舞って私を励ましてくれ、気分が落ち込んでいる時は外食に行こうと誘ってくれ、家電が壊れた時は直ぐに買い替えてくれていました。
口座は旦那が管理していましたが家にはきちんと生活費を入れてくれており、家賃や光熱費も未払い請求など来た事はありませんでした。そこまでお金に困っているとは微塵にも思っていませんでした。
そっか、
いままで隠し続けていたんだ・・・。
それはネガティブな気持ちが8割と、逆に、旦那の事が誇らしいという気持ちが2割。
もちろん私に相談せず借金したことに怒りは感じたし、すぐに打ち明けて欲しかった。
でも、そんな大変な状況を一人で抱え込んでいるのに、私の前ではおくびにも出さずに気丈に振る舞い寄り添ってくれた。
だから、許せた。
旦那『本当にごめん・・・離婚と言われても仕方ないと思ってる』
私『いいよもうやっちゃったことは。でも、今後は直ぐに言って欲しいよ』
素直な気持ちでした。それが本心でした。
旦那は泣いていました。
私も泣きました。
私の年齢は、この時すでに33歳を過ぎていました。
あと1年とちょっとすれば、もし子供を望むなら高齢出産に差し掛かるところです。
もう数か月待って、結果が出なければ不妊治療の再開を考えていたところでした。次は体外受精です。
お金が無いと無理なんだよな・・・
これからの人生、二人(と一匹)で生きて行くのかな・・・
そう想像して、また悲しくなって泣いて、そして思い立ちます。
よし、
『私がバイトして借金返す!』
◆続き
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