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不妊治療番外編① 出生前診断Ⅰ

【長編】不妊治療体験談

不妊治療回顧は書き終えましたが、クリニックを卒業してからの記録も残しておきたいと思います。

というのも、これは私達夫婦にとって凄く大事で、重い出来事だったからです。

 

クリニックを卒業して2週間ほどが経過したとある日、会社から帰ってきた旦那が突如こう切り出してきました。

 

 

旦那『出生前診断、行かない?』

 

 

出生前診断という言葉は聞くようになって久しかった頃でしたが、当初私にその考えはありませんでした。体外受精によって生まれる子どもだからといって何か先天性の異常が高くなるようなことはないという理解でしたので、私は生まれてくる子供に対して特に心配はしていませんでした。いや、あまり考えないようにしていたというのが本音かもしれません。

 

理由を聞いてみると、どうやら会社の同僚からそれとなく勧められたとのこと。

その同僚の子どもは心臓に先天性の重い病気を持っていたようでした。

 

難産だったものの無事に出産は出来たそうですが、その後の検査で様子がおかしいことに医師が気づき、即座に緊急手術を行う必要が。しかし出産した病院では難易度が高すぎる手術が必要だったようでその場で処置は不可、そしてその後関西で一番大きい心臓外科がある病院へ時間を掛けて移送され、そのまま成功率30%の手術を行うことに。旦那の同僚はずっとパニック状態だったようです。

成功率30%と言われる手術は何とか成功したとのことでしたが発見が遅れたため、その後一生酸素ボンベと共に生活をする必要があるハンディを背負ってしまったことに加え、この後2年間で成功率が50%と言われる手術を数回行う必要があるような状態、との事でした。

旦那は同僚から、

 

同僚「もし事前に心臓に異常があることが分かってれば最初から大きい病院で生むことが出来ていた。発見が遅れなければもう少し状態は良かったはず、そう思うと本当に悔しい。なので少しお金はかかるけど、出生前診断は受けておいた方が良かったと後悔している。」

 

という話をされたようでした。

 

出生前診断というと、『命の選別』という穏やかではない言葉が浮かびます。

今お腹にいる子供に対して私はもちろん五体満足で生まれてくることを願っていますが、もし何か異常があると事前に知ってしまった場合、私はどういう判断をするのだろうか。全く考えていませんでした。

もし旦那の同僚のようなケースだったら、そしてもし事前にそういう異常が分かっていたなら確かに手は打てる。ただそれ以外の症状、例えば『ダウン症』だった場合、私は・・・。

 

 

出生前診断をすると、

異常が発見された場合・・・生むか、おろすかを選択

異常が発見されなかった場合・・・安心して生むことができる

 

もし出生前診断を“しない”選択ならば、そもそもこの①や②の選択肢はありません。異常があった場合にでも生むという選択をするのであれば、出生前診断は不要です。ただ、旦那の同僚のような極めてレアなケースをカバーするべきかどうかという話は残ります。

私は確率論者ですが、極めて低い確率であったとしても一生のうちに数回しか試行回数のこなせない事象の場合、それが仮に数百万分の一だったとしてももし引いてしまえば私にとっては1/1です。

これは宝くじを買うことと似ているのですが、宝くじの期待値は当然マイナス。買えば買うだけ損失になることは自明ですが、一生のうちにこなすことが出来る試行回数は宝くじの確率分母に比べて遥かに少ない。

だからこそ、人は自分がその低い確率に当選することを祈って『夢を買う』と言うのですが、これは理解出来ます。だって宝くじに当たる人は実際に存在するのですから。

 

私は旦那に問いました。

 

 

私『もしダウン症だったらどうする?』

 

 

不妊治療番外編① 出生前診断Ⅱ

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