それから数か月が経過し、繋留流産の手術を受けてから初めての旦那の実家帰省でした。
本当なら今頃は安定期に入っていて、少し膨らんだお腹で帰省する予定だったのにな・・・
そう考えることもありましたが、もう終わったことだし考えても仕方ない。
気持ちの整理も出来ていたし、私なりにメンタルもそれなりに落ち着いていた、だけど、だけども、旦那の両親に直接会って慰められたらまた泣いちゃうかもしれないな・・・。
前日の夜は帰省準備をするのも少し身体が重く、それは旦那も同じようでした。旦那は連休前の仕事の追い込みで夜遅くに疲れて帰ってきました。足取りは重く、どことなく帰省することに抵抗があるような雰囲気を感じました。
その夜は私も旦那も帰省準備で寝るのが遅くなり、更にあまり眠れず、翌日も早朝から帰省土産の準備や洗濯・戸締りなどでバタバタして車に乗り込みました。
乗る前からなぜか結構疲労困憊な上に、旦那は長時間運転すると眠くなるタイプなのでコンビニでメガシャキを購入し、飲みながらの運転でした。
高速に乗って数分後・・・。
突然、旦那が呟きました。
旦那『やばい・・・』
旦那『なんかやばい・・・何これ』
私『どうしたの?』
旦那『ちょっと・・・どっかに車止めたい・・・なんだこれ・・・』
片側1車線の長いトンネルの中だったので、止められるところもありません。
私『大丈夫?どうしたの?ねえ、大丈夫?!』
旦那『・・・』
旦那の手首を触ると異常に脈が速く、1秒間に3回以上波打っています。手汗もひどい。
動悸がしていることはわかったけど、「やばい」としか言わないので何が起こっているのかわかりません。
旦那は冷や汗をかきながら速度をかなり落としながら、体制はハンドルにほとんど持たれるようにし、必死で高速出口へ向かいます。
そうして何とかトンネルを出た直後のインターで降りることができ、近くの漫画喫茶の駐車場へ停車しました。
車のシートを限界まで倒し、少し経ったころで、
旦那『だめだ。ちょっとどこかで横になりたい。なんか体がおかしい。』
というので、そのまま漫画喫茶を借りて横にさせました。
旦那の胸に手を当てると異常に鼓動が早く、脈拍は200を超えていたかと思います。
私『大丈夫・・・?どうしたの・・・?救急車呼ぼうか?』
旦那『良く分からないんだけど、急に動悸がして、身体全体がのぼせるような感覚になって、目の前がブラックアウトしそうになって・・・』
旦那『別にどこかが痛いとかそういうんじゃなくて、でも、なんか身体がおかしい』
旦那『ちょっと仮眠するわ。やばそうなら救急車呼んで』
そうやって、3時間ほど仮眠することにしました。
動悸は収まってきたけど、旦那はまだ冷や汗を体ビッショリになるくらいかいており尋常ではない様子。
私は心配でずっと旦那を見ていましたが、仮眠すると言ったものの、旦那は全然寝れていないようでした。
度々深呼吸をし、どうにか落ち着こうとしているような感じでした。
三時間ほど経って、
旦那『今日は多分、無理っぽいわ。帰省はやめよう。ごめん、実家には連絡しておいて。』
と言われました。
私は直ぐにお義母さんに電話し、起こったことのありのままを伝えましたが、私も良く分かってない症状だったので上手く伝えられず、お義母さんも『気を付けてね、また分かったら連絡ちょうだい』という反応でした。
まだ時刻はお昼過ぎ。
旦那『ちょっと落ち着いた、家に帰ろう』
動悸は収まっているようでした。
私『運転大丈夫?』
旦那『多分・・・わからんけどダメだったらすぐ休む』
ゆっくりと下道で帰ることにしました。
しかし運転しているとまたすぐに動悸が早くなったりするようで、たびたび
旦那『うわ・・また来た、やばい』
と速度を落としコンビニへ停車。
少し落ち着いてからまた運転。
これを何度か繰り返しながら、辛うじて自宅までたどり着きました。
ハンドルを握ると発生するこの症状・・・
家に帰ると旦那は憔悴しきった顔でしたが、車を降りると動悸は収まっていました。
旦那『明日、ちょっと病院行ってくる』
そう言って、その日は過ごしました。
なんだろう、嫌な予感がする
私は非科学的なのは嫌いだけど、こういう予感は結構当たるだよなぁ・・・。
そう思ったけど、言葉にしませんでした。
何もありませんように・・・。
◆続き
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