私は自分の意見を言わずに旦那に究極の質問をしてしまうという卑怯なやり方を選んでしまいました。ここでもし、意見が食い違ってしまったらとても悲しいことになると思う。
でも、この時点では本当に私に意見は無かったのです。答えは出ていませんでした。
旦那『俺のさ・・・』
旦那が話始めました。
旦那『親戚に、ダウン症の人がいるんだよね。少し年上だったけど、小さいころ良く家にも遊びにきてた。』
旦那『その家族は遊びに来ている間もずっと、その子に掛かりっきりだった。食事の時も、ちょっと出かけるときも、ずっと。幼心ながらその子は病気であることは理解はしていたけど、少し複雑だった。凄く優しい子だったから、別に実害があったわけじゃないけれど・・・なんとも言えない感情だった。』
旦那『ある日、お風呂に入ってたら茶色いプカプカしたものが浮かんできたことがあってさ。最初何かわからなかったので手ですくってみると、ウ〇コだったんだ。ちょっとびっくりしてね、自分の前に入ったのはその子だったから、〇〇ちゃんがお風呂でウ〇コしてる!!ってつい騒いじゃって』
旦那『その後、向こうの叔父さんと叔母さんにめちゃめちゃ謝られた。本当にごめんね、って泣きながら。俺はちょっとびっくりしただけで別に怒ってるとかでもないのにそんな感じで、凄くいたたまれない気持ちになったんだよな・・・。』
旦那『あとその人にはお兄さんも居てさ、凄く可愛がってもらった。めちゃめちゃカッコ良くて、憧れのお兄ちゃんだったんだ。』
旦那『でもそのお兄ちゃんは、弟がダウン症だから今でも結婚せずに「こいつは俺が面倒を見る」ってさ、彼女から逆プロポーズがあっても断ったらしい』
旦那『そして最近、そのダウン症の子は亡くなったんだ。理由は、ダウン症とは関係の無い別な病気だったらしいけど。』
旦那『その時俺は、正直にいうと、こう思ったんだ。「これで、お兄ちゃんは結婚できるようになった」、「向こうの両親も、ようやく肩の荷が降りただろうな」って。』
旦那『俺って多分、凄く性格が悪いのかもしれない。向こうの両親やお兄ちゃんは、多分そんなこと一ミリも考えてないはずなんだよね。でも俺はそう思っちゃったんだ。だってこれまでずっと大変な思いをしてきたのを見てきたから。向こうの両親やお兄ちゃんは、全然大変だなんて思ってないはずなのに。他人の俺が、そう思ってしまった』
旦那『俺には、できないよ。』
それが旦那の答えでした。
もし、出生前診断でダウン症などの障害が見つかった場合、旦那は諦めるという覚悟を私に、遠まわしでありながらも正直に伝えてくれました。
私は・・・
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